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函館グルメの本音ガイド:地元民が本当に通う店と食べ方

2026-05-08·10 分で読める
函館グルメの本音ガイド:地元民が本当に通う店と食べ方

# 函館グルメの本音ガイド:地元民が本当に通う店と食べ方

**「ガイドブックの函館」と「地元民の函館」は、まるで別の街です。**
10年以上函館に関わってきた筆者が、観光客が見落としがちな"本当の函館の味"をお伝えします。

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## 観光客向けイカ刺しと地元民のイカの食べ方は全然違う

函館といえば透明なイカ刺し。朝市や観光レストランでは「活イカ刺し」が1杯1,500〜2,500円で提供されていますが、正直に言うと、地元民が家でイカ刺しを食べるのは夏の一時期だけです。それ以外の季節は、むしろ**イカの塩辛・イカ飯・イカのゴロ焼き(内臓と一緒にバター醤油で焼く)**のほうが食卓に登場します。特にゴロ焼きはメニューに載せていない居酒屋でも、頼めば作ってくれることがあります。また、地元スーパー「魚長」や「コープさっぽろ」では、朝市の半額以下で新鮮なイカが手に入ります。刺身用の真イカが一杯200〜400円の時期もあり、宿にキッチンがあるなら自分でさばく価値は十分あります。

> **地元の豆知識:** 函館で「イカが本当に旨い時期」は6月下旬〜8月。それ以外に活イカ刺しを高値で出す店は、冷凍ものや他地域産の可能性があるので注意してください。

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## 朝市で損しないために:地元民が実際に買うものと避けるもの

函館朝市は観光地として有名ですが、地元民が日常的に通うかというと、実はほとんど行きません。価格が観光客向けに設定されているからです。ただし、**買う価値があるもの**は確実に存在します。それは「干物」と「がごめ昆布」です。特にがごめ昆布は函館近海でしか獲れない粘りの強い昆布で、地元民は味噌汁や納豆に入れて毎日のように食べています。朝市内の「カネニ藤田水産」などで500〜800円程度から購入可能です。逆に避けたいのは、**観光客向けの海鮮丼(2,500〜4,000円)**。ネタの質に対して割高な店が混在しています。どうしても海鮮丼を食べたいなら、朝市の中でも「朝市食堂 二番館」のワンコイン丼(500円)が、コスパの面で地元民からも評価されています。

> **裏技:** 朝市は早朝より、むしろ**閉店1時間前(昼12時〜13時頃)**に行くと値引きしてくれる店があります。干物やホタテなど、その日中に売り切りたい商品が狙い目です。

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## 函館民のソウルフード「やきとり弁当」と塩ラーメンの本当の名店

函館のソウルフードは海鮮ではありません。地元民に聞けば十中八九「**ハセガワストアのやきとり弁当**」と答えます。コンビニ「ハセストア(ハセスト)」の店内で、注文を受けてから豚肉を串焼きにして弁当にしてくれます。そう、**函館では「やきとり」と言いながら豚肉**なのです。タレ・塩・味噌だれから選べて、小サイズ450円前後から。観光客はまず知らないこのローカルルールを知っているだけで、函館民との会話が弾みます。

塩ラーメンは観光客が行列する「あじさい」「一文字」も悪くありませんが、地元民が静かに通うのは**「星龍軒」**(五稜郭エリア、塩ラーメン750円前後)や**「滋養軒」**(松風町、ラーメン600円台)。どちらも派手さはないけれど、澄んだスープに何十年も変わらない味があります。

> **地元の豆知識:** ハセストでの通な注文は「やきとり弁当ミックス(タレ&塩)、海苔多め」。海苔増量は無料対応してくれる店舗もあります。

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## 観光エリア外で地元民が通う食堂・居酒屋の見つけ方

函館の観光客は、ベイエリア・朝市・五稜郭の三角形の中だけで食事を済ませがちです。でも地元民が本当に通うのは、**市電「杉並町」〜「柏木町」あたりの住宅街エリア**や、**松風町の飲み屋横丁**です。

見つけ方のコツは簡単。**Google Mapで「食堂」と検索し、レビュー数が少ない(20〜80件)のに評価が4.0以上の店**を探してください。それが地元民の隠れた名店である確率が高いです。具体的には、松風町の居酒屋**「きくよ食堂 本町店」**(朝市の支店とは雰囲気が全く違う)、深堀町の定食屋**「よしだ」**などが地元の常連に支えられている店です。居酒屋では一人3,000〜4,000円で、新鮮な刺身とお酒を十分楽しめます。

> **裏技:** 函館の居酒屋で「**今日のおまかせで何品か**」と頼むと、メニューに載っていない仕入れたての魚を出してくれることが多いです。これは常連客の頼み方そのものです。

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## 季節で変わる函館の食卓:旅行時期別に食べるべきもの

函館は季節によって食べるべきものがガラリと変わります。これを知らずに来ると、旬を外した高い料理を掴まされることになります。

**【春(4〜5月)】** 桜の時期に合わせて出回るのが「**ホタテの稚貝**」。味噌汁に入れると絶品で、地元スーパーでひと袋200円程度。また、**毛ガニ**の走りもこの時期です。

**【夏(6〜8月)】** 真イカの最盛期。この時期だけは活イカ刺しに本気でお金を出す価値があります。**ウニ**も旬で、朝市より「**道の駅 なとわ・えさん**」方面が穴場です。

**【秋(9〜11月)】** **戻りガツオ**や**サンマ**、そして「**ブリ**」。近年は函館近海でブリが大量に獲れるようになり、地元の回転寿司「**函太郎**」(一皿143円〜)で驚くほど新鮮なブリが食べられます。

**【冬(12〜3月)】** **タラのじゃっぱ汁**(アラ汁)と**ごっこ汁**(ホテイウオの鍋)が地元の冬の味覚。観光客はまず知りませんが、居酒屋で見つけたら必ず注文してください。身体の芯から温まります。

> **地元の豆知識:** 函館民が「**今年は〇〇が安い**」と話題にするのは、スーパー「**アークス(旧ダイイチ)**」のチラシがきっかけ。旅行前にウェブチラシをチェックすると、今まさに旬の食材がわかります。

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**最後にひとつ。** 函館は「海鮮の街」というイメージが強すぎて、それだけを求めて来ると本当の魅力を半分も味わえません。豚肉のやきとり、がごめ昆布のネバネバ、冬のごっこ汁——ガイドブックに載らない味にこそ、地元民が愛する函館があります。ぜひ観光エリアの外に一歩踏み出してみてください。