登別温泉・地獄谷だけじゃない|地元民が本当に通う湯と歩き方
2026-05-08·12 分で読める
# 登別温泉・地獄谷だけじゃない|地元民が本当に通う湯と歩き方
登別温泉と聞くと、多くの人がまず「地獄谷」を思い浮かべるでしょう。でも、それだけで帰ってしまうのは本当にもったいない。ここは日本でも珍しい**9種類の泉質**が一つのエリアに集まる「温泉のデパート」。地元の人たちがどう湯を使い分け、どこで食べ、どう巡っているのか——観光ガイドには書かれない"本当の登別"をお伝えします。
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## 地獄谷は「朝イチ」か「夜」に行け——観光客の波を避ける地元流タイミング
地獄谷の駐車場が満車になるのは、だいたい10時〜14時。団体バスがひっきりなしに到着するこの時間帯は、遊歩道も人であふれて写真どころではありません。地元民が散歩がてら訪れるのは**朝7時台**。駐車場(500円)はガラガラで、朝もやの中に硫黄の煙が立ち上る風景は別世界です。もうひとつのおすすめは**日没後**。地獄谷展望台は通年で足元にライトがあり、暗闇の中で噴気孔がぼうっと光る様子は昼間とはまったく違う迫力があります。冬季(11〜3月)は「鬼火の路」のライトアップ(日没〜21:30頃)が幻想的。足元は滑りやすいので、スノーブーツか滑り止め付きの靴が必須です。
> **裏技:** 地獄谷手前の「大湯沼」まで足を延ばし、そこから徒歩約15分で到着する**天然足湯**(無料)は、観光バスの団体客がほとんど来ない穴場中の穴場。沢の水と温泉が混ざった、ぬるめのお湯に足を浸けながら森林浴が楽しめます。タオル持参をお忘れなく。
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## 泉質で選ぶ:硫黄泉・食塩泉・鉄泉——登別に湧く9種の湯を使い分ける方法
登別が"温泉のデパート"と呼ばれる理由は、**硫黄泉・食塩泉・明ばん泉・鉄泉・酸性泉・芒硝泉・重曹泉・ラジウム泉・硫酸塩泉**の9種類が湧いているから。これは日本全国を見渡しても極めて珍しいことです。地元の人は体調や目的によって湯を使い分けています。**肌荒れ・アトピーが気になるとき**は、肌への刺激がマイルドな重曹泉や食塩泉がある宿を選びます。**筋肉痛や登山後の疲労回復**には、血行促進に優れた硫黄泉が一番。**冷え性改善**なら、塩分が肌の表面に薄い膜を作って保温効果が持続する食塩泉がおすすめです。施設によって引いている源泉が異なるので、フロントで泉質を聞いてから入るのがコツ。
> **地元の豆知識:** 硫黄泉に入った日は、銀のアクセサリーが黒く変色します。入浴前に必ず外してください。変色してしまった場合は、歯磨き粉で軽く磨くと元に戻ることが多いです。
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## 地元民が週末に通う日帰り湯3選——観光マップに載らない穴場とその理由
**①さぎり湯(登別温泉町)**
温泉街の真ん中にありながら、観光客より地元の常連が圧倒的に多い公衆浴場。入浴料はわずか**480円**。硫黄泉と明ばん泉の2種類の浴槽があり、交互に入る「交互浴」が地元流。シャンプーや石鹸は備え付けがないので持参するか番台で購入(各50円程度)してください。営業は朝7時からで、朝風呂派の常連さんたちに混じるのも楽しい体験です。
**②登別グランドホテル(日帰り入浴)**
日帰り料金**1,500円**で、ローマ風の大浴場と滝が流れ込む露天風呂を体験できます。食塩泉・硫黄泉・鉄泉の**3泉質に一度に入れる**のはここだけ。平日14〜20時の日帰り受付が狙い目で、週末でも16時以降は比較的空いています。
**③ホテルまほろば(日帰り入浴)**
日帰り料金**1,200円**。地下に広がる浴場は登別最大級の広さで、硫黄泉・食塩泉・酸性泉・明ばん泉と**4種の泉質**を一巡できます。地元民は「全種類入ると2時間はかかる」と笑いますが、実際その通り。湯巡りのつもりで時間に余裕を持って訪れてください。
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## 温泉街の食事は「観光通り」を一本外せ——常連が教える味噌ラーメンと海鮮の店
極楽通り(温泉街のメインストリート)沿いの飲食店は、正直に言うと観光地価格のところが多いです。地元民は一本裏に入った店や、温泉街の入口付近にある店を選びます。
**味の大王 登別温泉店**は、地獄をイメージした**「閻魔やきそば」(900円)**が名物ですが、常連が頼むのは実は**地獄ラーメン(辛味噌・950円)**。辛さを1丁目〜10丁目まで選べて、3丁目あたりが旨みと辛さのバランスが絶妙です。温泉街から少し車で下った**「味の大王 登別店」**では、北海道名物の**カレーラーメン(850円)**も味わえます。
海鮮なら、温泉街を出て登別市街方面へ10分ほど車を走らせた**「魚よし」**がおすすめ。漁港に近いぶん鮮度が段違いで、**刺身定食(1,300円前後)**は観光エリアの半額近い価格。地元の漁師さんも来る店なので、味は間違いありません。
> **地元の豆知識:** 登別の隣町・白老では、毎年秋に「虎杖浜たらこ」が旬を迎えます。温泉帰りに国道沿いの直売所で買う焼きたらこは、お土産としても自分用としても最高です。
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## 湯冷めしない帰り方:登別→洞爺湖・室蘭へ抜けるローカルバスと温泉ハシゴルート
登別温泉を堪能したら、そのまま札幌に引き返すのではなく、**もうひと湯、もうひと景色**を加えるのが地元流の楽しみ方です。
**ルート①:登別→洞爺湖温泉(温泉ハシゴ)**
登別温泉から道南バスでJR登別駅へ(約15分・350円)、JR特急で洞爺駅へ(約40分・自由席1,760円)、洞爺駅前から道南バスで洞爺湖温泉へ(約20分・340円)。洞爺湖温泉に着いたら、湖畔の**「洞爺湖万世閣」**で日帰り入浴(1,000円)。湖を眺めながらのナトリウム泉は登別の硫黄泉とはまったく違う柔らかさで、肌がつるつるになります。4月末〜10月は毎晩20:45から湖上花火大会があり、露天風呂から花火が見える宿もあります。
**ルート②:登別→室蘭(工場夜景+やきとり)**
JR登別駅から室蘭駅まではJRで約30分(640円)。室蘭は「日本六大工場夜景」の一つで、白鳥大橋と製鉄所の光が海面に映る景色は圧巻です。そして室蘭に来たら外せないのが**「室蘭やきとり」**——実は豚肉と玉ねぎを串に刺して洋がらしで食べるご当地グルメ。**「鳥辰(とりたつ)」**の一串150円〜は、温泉上がりのビールとの相性が最高です。
> **裏技:** JR登別駅のコインロッカー(400〜600円)に荷物を預けて身軽に動くと、乗り継ぎが格段に楽になります。ロッカー数は少ないので、午前中の早い時間に確保するのがポイントです。
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**最後にひとつだけ。** 登別温泉は「見る観光地」ではなく「浸かって感じる場所」です。地獄谷で写真を撮って終わりではなく、泉質の違いを肌で比べ、裏通りで地元の味に出会い、隣町までバスで足を延ばしてみてください。きっと、ガイドブックの登別とはまったく違う温泉旅になるはずです。