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函館・湯の川温泉「ホテル万惣」――350年の歴史とレトロモダンの魅力

2026-05-08·9 分で読める
函館・湯の川温泉「ホテル万惣」――350年の歴史とレトロモダンの魅力

# 函館・湯の川温泉「ホテル万惣」――350年の歴史とレトロモダンの魅力

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## 湯の川温泉350年の歴史――観光ガイドが語らない地元との関わり

湯の川温泉の起源は1653年。松前藩主の息子が難病を治したという伝説が有名ですが、地元民にとっての湯の川はもっと身近な存在です。実は函館市民の多くが「日帰り入浴」の場として週に何度も通っており、温泉街というより"まちの銭湯"感覚で愛されています。ホテル万惣もそのひとつで、日帰り入浴(大人1,100円)を利用する常連さんが少なくありません。

面白いのは、湯の川が空港からタクシーでわずか5分という立地。これは日本全国の有名温泉地でも極めて珍しく、到着直後に温泉へ浸かれる贅沢が味わえます。観光ガイドブックでは「函館山の夜景」が最初に紹介されがちですが、地元の人間に言わせれば「まず湯に浸かって、それから夜景」が正解の順番です。

> **地元の豆知識:** 湯の川温泉には「温泉に浸かる野生の猿」で有名な函館市熱帯植物園(入園料300円)があります。猿が温泉に入るのは12〜5月限定。冬の函館旅行ならぜひ立ち寄ってみてください。

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## 館内のレトロモダン空間と客室タイプ別の選び方

ホテル万惣の第一印象は「想像していた温泉旅館と違う」でしょう。2016年のリニューアルで館内はレトロモダンに一新され、和の素材と現代的なデザインが絶妙に共存しています。ロビーに足を踏み入れると、木のぬくもりと間接照明に包まれた空間が広がり、ここが温泉ホテルであることを一瞬忘れるほどです。

客室選びのポイントを整理します。**スタンダード和室**(2名1室・1人あたり約12,000円〜)は畳の上にゴロンと寝転びたい方に。**モダン和洋室**(約16,000円〜)はベッド派の外国人ゲストに圧倒的人気。**露天風呂付き特別室**(約28,000円〜)は記念日向けの贅沢枠です。

個人的なおすすめは中層階のモダン和洋室。高層階は眺望が良いものの、実は万惣の客室から海は見えにくい配置です。それよりも大浴場からの眺めに全力を注いでいるのがこのホテルの設計思想なので、客室はコスパ重視で選び、景色は大浴場で堪能するのが賢い泊まり方です。

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## 泉質・湯温・混雑時間帯――地元通が教える大浴場の楽しみ方

万惣の大浴場は最上階に位置し、津軽海峡を見渡す露天風呂が最大の魅力です。泉質はナトリウム・カルシウム−塩化物泉で、特徴は湯上がりの肌に薄い塩のベールがかかるような保温力の高さ。冬の函館で外を歩いても、湯冷めしにくいと地元民に評判です。

湯温は内湯が約41〜42℃、露天が約39〜40℃と若干ぬるめの設計。長湯派には嬉しいポイントです。

混雑を避けるなら**朝6時〜7時**が狙い目。チェックアウト前の慌ただしい時間を避けて早起きすれば、朝焼けの海を独り占めできます。逆に最も混むのは夕食後の21時前後。ビュッフェ会場から直行する宿泊客が集中するためです。

> **裏技:** 夕食前の16時〜17時も実は穴場です。チェックイン直後に荷物だけ置いてすぐ大浴場へ向かえば、ほぼ貸切状態で津軽海峡の夕暮れを眺められます。この時間帯を知っているのは、リピーターか地元の日帰り客くらいです。

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## 海鮮ビュッフェ攻略法――函館朝市とは違う夜の味覚の真価

「函館で海鮮なら朝市でしょ?」――多くの旅行者がそう考えますが、万惣の夜ビュッフェにはまったく別の魅力があります。朝市は新鮮な刺身や丼がメインですが、万惣では**火を通した海鮮料理**に本領があります。目の前で焼き上げるステーキや、ライブキッチンの天ぷら、そして日替わりの煮魚や蒸し物。素材の鮮度を活かしつつ、和食の「仕事」が加わった料理の数々は朝市では味わえません。

攻略のコツは明確です。**オープン直後の17時30分**に入場し、まずライブキッチンで出来たての品を確保してください。開始30分を過ぎると行列が伸び、待ち時間が発生します。また、刺身コーナーは後半に補充されることが多いので、焦って最初に取りに行く必要はありません。デザートの函館牛乳ソフトクリームは食べ放題なので、忘れずに締めの一杯を。朝食ビュッフェ(宿泊者は無料)のイカ刺しも絶品で、これだけのために早起きする価値があります。

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## 周辺の穴場スポットと湯の川エリアのローカルな歩き方

多くの旅行者は湯の川に泊まっても、日中は函館駅周辺や元町へ出かけてしまいます。でも湯の川エリア自体に、地元民が愛する場所がたくさんあるのです。

まず**「湯の川温泉足湯」(無料)**。電停「湯の川温泉」目の前にあり、散策の途中でふらりと立ち寄れます。次に**「コーヒールームきくち」**(ブレンド500円)。昭和の純喫茶そのままの店内で、マスターが丁寧に淹れる一杯は観光地の喧騒から離れた贅沢です。海沿いを歩けば**湯の川漁港**があり、早朝にはイカ漁船が戻る風景を見られます。ここは観光客がほぼゼロの、正真正銘のローカルスポット。

移動は**函館市電**が便利で、湯の川から函館駅前まで約30分(260円)。ICカード対応なので現金不要です。あえて市電に揺られながら車窓を眺める時間そのものが、函館旅の隠れた醍醐味だと私は思っています。夜の市電から見える街灯りは、函館山とはまた違う、生活に根ざした温かさがあります。

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